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2009年8月13日 (木)

少子化と出生率

 ここ数日、地元紙で少子化に関する記事を目にしたので、出生率について感じていることを書いてみようと思います。

 少子化でよく話題になるのが合計特殊出生率。一人の女性が一生に産む子供の数を示すと言われていますが、市町村別では、鹿児島県の離島、徳之島の伊仙町が日本一高くて2.42(全国平均は1.31)です。

 この合計特殊出生率は、どうして計算するのかというと、15歳から49歳までの年齢毎に、出生率(生まれた子供の数/女性の人口)を出して、足していきます。とすると、ある年齢層の女性人口が少なくても、子供を産んだ率が高ければ、全体の出生率を引き上げてしまいます。

 具体例で考えると、伊仙町の2005年の女性の人口は、全体で3,652人、うち10~14歳は204人、15~19歳は163人、20~24歳は86人です。20~24歳の女性人口は、ガタッと少なくなります。これは、進学や就職のため、島外にでていく者がおおいためと推測されます。しかも残った者も、島内に大学がないため、学生はほとんどいないと思います。従って、データは手元にありませんが、大学のある都市部と比べて婚姻率も、高くなっていると思います。それで、出生率が高くなっているのではないでしょうか。(もちろん同じような状況の市町村は、全国ほかにもたくさんありますので、伊仙町をはじめ、奄美の島々が合計特殊出生率が、全国の上位を占めているということは、子育てしやすい環境にあるということは間違いないと思います。)

 男性も含めた、人口千人当たりの出生数は、全国平均も伊仙町も8.7で同じです。合計特殊出生率が全国一というと、町の中に子供がたくさんいるイメージがありますが、町の人口に対する割合でいうと全国平均なみということになります。

 私は、子育てのしやすさという観点からみる時は、結婚している女性の出生率で比較し、将来の地域がどうなるかという観点からみるときは、普通出生率ををみないといけないと思います。

 事実、よく人口を維持するには、合計特殊出生率2.08以上ないといけないと言われますが、2.42ある伊仙町も2035年の推計人口は、現在の約65%に減ってしまいます。(人口の将来推計は、国立社会保障・人口問題研究所のHPhttp://www.ipss.go.jp/syoushika/tohkei/Mainmenu.aspにデータがあります。自分の町の将来推計を見ることができます。)

 少子化対策と言っても、現状を冷静に分析しないと、子育て支援を重点にするのか、定住対策を重点にやるのか、政策が変わってくるのではないでしょうか。

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